Embrace Long Term Memory


Peakの後に読んでいる本が、「Make it Stick: The Science of Successful Learning」です。どのようにすれば学習した内容を自分のものに出来るかについて書かれた本です。今回のブログでは本の中で紹介している「長期記憶」について書かせていただきます。

Memory Process


短期記憶(STM)

インプット情報は様々なプロセスを経て、短期記憶(Short-Term Memory: STM)に保存されます。Part2の設問やPart3/4の先読みの内容を記憶するのがSTMに保存されると理解すると良いと思います。名前のとおり、STMの情報は長く保存されません。

長期記憶(LTM)

学習の目的は習った内容を長期記憶(Long-Term Memory: LTM)に保存し、後からでも取り出せることが出来るようにすることです。LTMに入っている情報のメリットは他にもあります。新しく入った情報は、LTMに保存されている知識と繋がりLTMに保存しやすくなります。

<Image courtesy of http://bit.ly/2fdU5pN>

How to Move from STM to LTM


"The process of strengthening the long term memory is called consolidation. Consolidation and transition of learning to long-term storage occurs over a period of time." - from Make it Stick

LTMを鍛える方法として作文を例としてあげてます。例えば、人工知能について作文を書くことにしたとしましょう。最初はどこから始めれば良いのか想像もつかないほど難しいタスクです。しかし、情報を集め考察し、自分の言葉で綴っていく中で蓄積された情報はSTMからLTMに移動し作者の知識として生まれ変わります。

本の中では、自分の言葉で書く作業を「retrieval」といい、収集した内容を考察する作業を「reflection」と読んでいます。ReflectionとRetrievalは簡単な作業ではありません。しかしながら、このような時間と手間をかける作業が記憶にはもっと残ると強調しています。LTMを鍛えるための時間と手間を"desirable difficulties"と称してます。

TOEICの学習でも誤答ノートの活用や学習した内容を記録に残すのは学習内容をLTMへ保存するいい方法かと考えてます。

TOEIC学習においてLTMの役割


多くの英語学習者がLTMを意識せずに学習をされている気がします。明日(11月20日)公開テストを控えている今日、最後まで模試などを解いた方がいいと仰る講師の方もいれば、今日はゆっくりした方がいいと話されている方もいます。

僕は公開テストの前日は今まで学習した内容をLTMに移す作業をしてみるのもいいと考えてます。どのように移せるかは人によるかと思いますが、ひとつ提案したいのは、Part1から7まで振り返ってそれぞれのメンタル・モデルを作ってみることです。

Part1ではどのような写真を覚えていて、Part2ではどのような会話を模試で勉強したのかなど。また、Part3や4ではどのような会話の種別があった設問の種類を思い出してみるのもいいと思います。

Part5と6も何か気になっている語彙や文法・構文があれば探してみてノートに書くのもいいでしょう。文挿入の問題は、挿入する文からどのような情報を考慮しなければならないのかももう一度考えてみる。Part7は問題文の形式をもう一度レビューするのもいいと思います。

レビューの内容はCheatsheetとしてまとめてみるのもいいかもしれません。公開テスト前に改善していくCheatsheetの完成です。

パートごとのメンタルモデルができましたら、公開テストの2時間を頭の中で描いてみてください(mental rehearsing)。どのように初めて、どのように終わらせるか。少し手間はかかるかもしれませんが、これらの作業でRetrievalとReflectionのプロセスが再現できてTOEICに関する知識をLTMへ固める(consolidating)ことが出来ると思います。

結果的に公開テストでも良いスコアに繋がることを期待しています。

まとめ


Peakもそうですが、Make it Stickでも「deliberate practice」を強調してます。何かはっきりした目的意識を持って意図的な学習を心かけますと同じ時間でも得られる結果はだいぶ変わってくると思います。

これから展開していく「Agile TOEIC」プログラムではLTMを意識した学習法を導入し、学習効果を向上する設計になっています。


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